現代では4年に1度のオリンピックと一緒に必ず開催されるパラリンピック。
このパラリンピックという名称の由来は何なのでしょう?
パラリンピックはもともとリハビリのため
第二次世界大戦の最中、当時のイギリス首相だったチャーチル氏が、戦争で負傷する兵士の増加を見越し、兵士の治療と社会復帰を目的とした「脊髄損傷科」をロンドンのストーク・マンデビル病院内に開設します。
そこでは治療にスポーツが取り入れられました。
やがてその病院で車椅子の患者達によるスポーツ大会が開かれるようになりました。
このスポーツ大会は年々規模を拡大し、国際大会へと発展します。この大会は「国際ストーク・マンデビル大会」と呼ばれます。
1960年にはローマオリンピックが開催された後に、同じローマで「国際ストーク・マンデビル大会」が開催されました。
これが後に第一回パラリンピックと位置づけられる大会となります。
パラリンピックの名称が使われたのは1964年東京大会から
4年後の東京オリンピック直後にも同じように 「国際ストーク・マンデビル大会」は開催されます。
このとき「Paraplegia(下半身麻痺者)」の「Olympic」ということで、パラリンピックという名称が初めて使われます。
ただし、この後オリンピック後にパラリンピックを行うという方式は、1972年のハイデルベルク大会まで中断します。
また、「パラリンピック」という名称も正式なものではなく、その後の大会では違う名称を用いることもありました。
「パラリンピック」に出場する選手が「Paraplegia(下半身麻痺者)」ばかりではないのが名称が定まらなかった大きな理由の1つです。
現代は「パラリンピック」=「もう一つのオリンピック」の意味
その後、ギリシャ語の「Para」(英語のパラレルの語源で「平行」といった意味)+「 Olympic 」と解釈を変え、「もう一つのオリンピック」としてパラリンピックという名称が正式決定されます。
1988年のソウル大会から正式に採用されました。
それから前述のローマで行われた第一回パラリンピック(初めてオリンピック開催地と同じ都市で行われた「国際ストーク・マンデビル大会」)までさかのぼって、それ以降の大会を「パラリンピック」と呼ぶに至りました。