鑑賞・観賞・観照の違いと使い分け「映画」「音楽」「テレビ」「舞台」「ミュージカル」はどれ?

日常の中にある、ふとした疑問に関する情報を簡潔にまとめます。

この記事では、「鑑賞」・「観賞」・「観照」の違いと使い分けについてをまとめたいと思います。

鑑賞・観賞・観照の違い

どれも「かんしょう」という読み方で、使い分けが難しい言葉ですが、以下のような使われ方をすることが多いです。

1.芸術作品などを視覚や聴覚を通して自己の中に受け入れ、内容を見極めながら理解を深めるというようなときには「鑑賞」が使われます。

2.対して、美しいものや珍しいもの、特に人の手が加わっていない自然にあるものを主に視覚を使って楽しむ場合は「観賞」という言葉が使われます。

3.「観照」は「観賞」と同じ意味で使われることがありますが、物事を冷静に客観的な視点で見つめるというような意味合いでも使われます。

まとめると、

人の手が加わった芸術作品などを見たり聴いたりするときは鑑賞」、

人の手が加わらない自然を見て楽しむときには観賞」、

主観的な見方を離れて客観的な視点で見つめる場合は観照

を使う場合が多いと言えます。

「映画」のかんしょうは?

映画は人の作った芸術作品なので、鑑賞という言葉を使うのが一般的です。

ただし、特にコメディ、喜劇作品などについては、込められた意味を考えるのではなく、目の前にある現実のものを単純に見ることが主な要素となっているため、あえて「観賞」という言葉が使用される場合もあります。

「音楽」のかんしょうは?

音楽は見るのではなく、耳で聴いて楽しむため、鑑賞を使うのが一般的です。

音楽は人の手が加わった芸術作品である場合がほとんどですので、「鑑賞」以外が使われるケースもあまりないようです。

「テレビ」のかんしょうは?

テレビは芸術作品のように「深く理解して見る」というような側面があまりないため、観賞の字が使われることが一般的です。

テレビでは芸術性が高い作品が放送されることもありますが、様々な番組が放送されるため、単純に「見る」という意味合いのほうが強いという理由で「観賞」の字があてられる場合が多いです。

「舞台」のかんしょうは?

芸術性が高いため、鑑賞を用いるのが一般的です。

「観賞」の文字を使うこともありますが、作品に敬意を払う場合には「鑑賞」という文字を使う方が多いようです。

「ミュージカル」のかんしょうは?

ミュージカルも舞台と同じく、鑑賞という言葉を使うことが一般的です。

「人が作った」「芸術性が高い」ものであるため、ただ見るときに使う「観賞」という文字を使っては失礼にあたると考える人も一定数いるようです。